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不死身の漢!

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「エイリアン」続編が「第9地区」の監督で制作決定!「エイリアン」シリーズの歴史を簡単に解説。

エイリアン・シリーズ

ニール・ブロムカンプ監督、「新エイリアン3」!? 「エイリアン3」「4」はなかったことに!?


エイリアンの新しい続編の制作が決定したと今年の2月19日Varietyやcomingsoon.netなどの海外メディアが伝えました。「エイリアン4」からの続編となるのか、本編とは違う時間軸のパラレルストーリーになるかは不明ですが、「エイリアン4」からは18年ぶり、「プロメテウス」からは3年ぶりの続編となります。
監督は「チャッピー」第9地区 のニール・ブロムカンプが務めます。ブロムカンプは2009年に自らの出身地である南アフリカのアパルトヘイトを元に作った大作「第9地区」で世界中のSFファンから一躍注目された人です。

現在のSF界隈で最も有名人であるブロムカンプが監督するということで否が応でもファンの期待は高まるというもの。

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2009年公開「第9地区」 アカデミー作品賞にもノミネートされた。

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 そしてプロムガンプはインタビューの中で今回の「エイリアン」新作は、「エイリアン2」からの続編になると述べています。これははたして番外編ということなのか?それともパラレルワールドで「エイリアン3」「4」がなかったことになるのかはまだわかりません。

ただ無かったことになったとしても特に驚くことはありません。なぜなら一部の「エイリアン」ファンの間では「エイリアン3」、「エイリアン4」はなかったことにしたい作品だといわれているからです。そこで少し「エイリアン」シリーズの歴史を振り返ってみたいと思います。

 

最高の映画「エイリアン1」「2」と、最低の続編(と言われている)「エイリアン3」「4」・・・。


79年に公開されたエイリアン は世界中のSFファンのみならず多くの観客の度肝を抜きました。エイリアンのデザインに多くの観客は震え上がり、さらにリドリースコット監督の圧倒的な映像によって「エイリアン」はその年のアカデミー視覚効果賞を受賞しました。

エイリアン レジェンダリースケールバスト ビッグチャップ・エイリアン

エイリアン レジェンダリースケールバスト ビッグチャップ・エイリアン
初代エイリアンこと「ビックチャップ」。頭蓋骨が透けてるのが特徴。シリーズごとにデザインが違う。

 

そして7年後に続編エイリアン2 が公開されます。 

「続編に当たりなし(ゴットファーザー以外)」と言われていた当時の風潮を吹き飛ばし、86年の公開時に大ヒット。批評的にも大成功しました。この「2」のすごいところは「1」がSFホラーだったのに対し、SF戦争アクションへと路線変更して大ヒットしたことです。ほとんど違う映画になってるにも関わらず、この映画の宇宙海兵隊とエイリアン軍団の戦いに大勢が熱狂し、多くのSF映画、ゲームに影響を与えました。その2年前に「ターミネーター」を撮って一躍注目を浴びたジェームズ・キャメロンはこの映画によって決定的に名前を知られるようになり、その後「タイタニック」「アバター」など映画史に残る作品を撮っていくようになります。

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最強の続編としてその名を残す「エイリアン2」。
もはや「「1」とどっちが面白いか」はファンの日常会話。

 

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 しかし!・・・92年に公開されたエイリアン3 でこれまでの評価が一変します。

シリーズ完結編ということで公開された本作ですが、アメリカでの興行は芳しくなく、日本やヨーロッパの公開でそれなりに稼いだようですが、評価はあまり良くありませんでした。この映画は主演のシガニー・ウィーバーが制作にも関わり完成させた映画ですが、映画制作の最初から最後までトラブル続きだったという話は良く知られています。そのため物語もなんだか強引なところが目につき、「エイリアン」最終章はスッキリしない結末を迎えることになります。

そして97年のエイリアン4 はシリーズ復活を掲げ、「3」から200年後の世界を舞台にした物語です。
ですが「3」で死んだはずのリプリーがクローンになって復活するという強引な方法に、映画が公開される前からファンの間には不安が高まっていたようです。「「北京原人」かよ!」と突っ込む映画ファンもいたようです。 (僕は小学生だったのでこの辺はよくわかりませんでした。ちなみに「北京原人」は「4」の前年に公開された最低映画です)

そして映画本編も、とても「エイリアン」シリーズの続編とは思えぬメチャクチャな内容で、ギャグにしか見えないエイリアンによる惨殺シーン(これは意図的に撮られています)に代表される過剰な演出は見てる間、客の頭を麻痺させ、最後に出てくる新キャラクター、ハイブリットエイリアンの醜いデザインも賛否両論を引き起こしました。

一部でカルト的人気を得たものの、「エイリアン4」もファンの間では黒歴史と化してしまったのです。

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「AVP」シリーズ始動!・・・そして黒歴史へ。


 この「3」「4」がコケたことによって、エイリアンはいわゆるオワコン状態と化し、続編制作が難しい状況になります。

しかし2003年にニューラインシネマが「フレディVSジェイソン」という2大ホラーキャラの対決映画を公開し、全米で2週連続NO1を 記録すると、20世紀FOXはそれまで企画としては存在していながら、ずっと棚上げになっていたエイリアンVS.プレデター(以下「AVP」)を急きょ制作決定、翌年の2004年に公開します。ハリウッド大作らしからぬスピード公開になんだかものすごい対抗意識を感じます。

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 フレディ VS ジェイソン [DVD](2003)  エイリアンVS.プレデター [DVD](2004)
FOXが絶対に対抗して作っただろうAVP。ちなみにニューラインの方ではF対Jの続編でレザーフェイスまで出して三つ巴にする企画があったそうだが今のところ音沙汰なし。残念。

 

しかしこの「AVP」が「エイリアン」シリーズにとっては致命傷となります。

エイリアンとプレデターが対決するという企画に、映画ファンも最初は「ウオォ!」と興奮状態になりましたが冷静に考えるとかなりの無茶企画であることは明白。

そもそもエイリアンは22世紀の物語で、プレデターは20世紀が舞台。一体どうするつもりなのか。

結果、エイリアンの卵を実はプレデターが地球に持ち込んでいたという設定になりました。舞台は20世紀となり、現代を舞台に2つの種族がぶつかるという物語に。
が、映画の内容は薄っぺらいキャラクターとチープなアクションシーンが並ぶ完全なB級映画となってしまいました。

売りであるエイリアンとプレデターの対決は、実際に見るとバカバカしすぎてファンの失笑を買いました。
しかしエイリアンをジャイアントスイングするプレデターの図は一生記憶に残ると思います。そしてヒロインとプレデターがなぜか心を通わせるシーンのシュールさもこの映画を語る上で外せません。

エイリアンはもはやただの化け物と化し、(元からただの化け物だった気もしますが)プレデターと人間にただ殺されるだけの存在になってしまいました。

そして続編のAVP2も作られましたが、単に残虐なシーンが続くどうでもいい映画となり、こちらも黒歴史化。「AVP」シリーズは興行的に元は取れたようですが、批評的には大失敗し、ファンからもそっぽを向かれ、幕を下ろしました。

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「そぉい!」
笑わずにはいられない豪快な投げシーン。

エイリアンに、もはやかつての威厳はなかった。

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「プロメテウス」の誕生。「エイリアン」のその後。


スイス人アーティスト、H・R・ギーガーがデザインし、人間の性的なメタファーを含んだ芸術的存在でもあったエイリアン。

しかし度重なる続編の失敗と、度重なる「エイリアン」ゲームの失敗。(これもまた調べると面白いので各自検索してみてください)コミックではバットマンと戦わされたり、スーパーマンと戦わされたり、やりたい放題。

こうしてエイリアンは「エイリアン」後に山ほど生まれたB級モンスターと同類になってしまったのです。

これに怒りを覚えたのは初代「エイリアン」を監督したリドリー・スコット。なんとかエイリアンシリーズを立て直そうと奮闘します。

そして作ったのがプロメテウス です。今回は「エイリアン」一作目に出てきて、シリーズ中ずっと謎だった宇宙人、「スペースジョッキー」の話を描くというのです。

「プロメテウス」は 元々「エイリアン5」としてあった企画で、エイリアンの母星に向かうエピソードだったようです。その後プリクエル(前日譚)に変更され、当初ジェームズ・キャメロンなどの監督が候補に挙がる中、一作目を撮ったリドリー・スコットが監督に決定したようです。

スコットは「プロメテウス」に関するインタビューの中で

「「 エイリアン」は「2」、「4」までは許せる。しかし「AVP」だけは許さん!」

と語っているように、「AVP」で完全にダメになってしまったエイリアンを見て、「プロメテウス」制作を決心したようです。

「プロメテウス」はタイトルから「エイリアン」の名が外れ、ほとんど一本の別映画のような形で公開されましたが、理由としてはスコットがこの映画を単なる続編ではなく「2001年宇宙の旅」に迫る一級の、そして一本のSF映画にしたかったから、もしくは単に、皆が知ってるエイリアン自体が本編に登場しないためタイトルから外した。または「エイリアン」シリーズ自体がオワコン状態だったため、「タイトルを変えた方がいい」という商業的な判断など、色んな情報がありますが本当のところは不明です。

こうして作り上げた「プロメテウス」は圧倒的な映像美で迫る、一作目にあったA級映画の風格を携えた作品になりました。日本では押井守や樋口真嗣も大絶賛しました。

しかしこの映画も内容の是非で賛否両論を巻き起こしました。

映画の内容が難解であったのも理由の一つですが、強引なストーリー展開も批判の主な原因だったようです。

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「「1」以来の傑作
」と言う人もいれば、「設定穴だらけの駄作」という人もいるプロメテウス。しかし力作なのは間違いない。

 

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とりあえず「プロメテウス」は「エイリアン」のリブートとして一応の成功を果たし、「プロメテウス2」も企画が進行中とのことです。

そして出てきたのが今回のニール・ブロムカンプ監督による「エイリアン」新作です。

現在35歳、SF映画の若き天才は「エイリアン」シリーズに果たして新風をもたらすのでしょうか。

過去の「エイリアンシリーズ」の監督達と比較するとどんなものなのか。記事が長くなったので、それは次回に。

 

では。

 

 

 『エイリアン』シリーズ解説⇩

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