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不死身の漢!

このサイトは私ことジョンが映画、アニメ、ゲームの批評、解説をするサイトです。

実写版『進撃の巨人』を観る前に観ておいた方が良い作品達。

進撃の巨人

実写版『進撃の巨人』を観る前に観ておいた方がほうが良い元ネタ作品を勝手にランキング。

公開からそろそろ2週間が経とうとしている実写版『進撃』前編ですが、今回は映画を観る前に観ておいたほうがいい作品を紹介したいと思います。
前編を観た方も9月19日に公開する後編の前にこれらの作品を見ておいて損は無いと思います。
映画、本、ポットキャストを混ぜこぜで重要なものからランキング方式で紹介します。
なお、順番は私の私的な目線ですがご容赦ください。

 

第一位 

『町山智浩のアメリカ映画特電』第72回「ダークナイトはなぜ素晴らしいか?ジョーカーとミルトンの失楽園」(ポットキャスト)

ポットキャストはこちら⇩
バックナンバー第68回〜第80回 町山智浩のアメリカ特電 | EnterJam - エンタジャム - 映画・アニメ・ゲームの総合エンタメサイト

 原作、実写版を含む『進撃の巨人』はこれを聞けば全てわかるというくらい、『進撃』の思想の全てが詰まった評論

町山智浩の行った数々の批評の中でも名解説と言われるのがこの2008年の「ダークナイト」評であり、この批評によって町山さんのファンになったという人も多いはず。
『進撃』の原作者、諌山創先生がこの評論を聞き、『進撃』の基本的なストーリーを作っていったのは有名な話で『進撃の巨人』の元ネタと言える。
語っている内容は『ダークナイト』のキャラクター、ジョーカーと、そのモデルとなったミルトンの『失楽園』のキャラクター、サタン、この怪物たちの背景にある西洋思想史を語っていくというもの。
漫画『進撃の巨人』のテーマであり、実写版の予告編でも言っていた。「天国の幸せよりも地獄の自由を選ぶ」という言葉はこの評論の中で使われた言葉です。

「人間は運命とか、神だけじゃなくて、周りのあらゆるルールに逆らって、真に自由でいることでしか人間は生きられないってことなんです」(上の動画の30分37秒あたり)

 

第2位
『失楽園』(小説)

イギリス作品 1667年刊行。
作者:ジョン・ミルトン

上述した町山さんのポットキャストにおいて解説され、『ダークナイト』を含む様々な映画や文学に影響を与えた、17世紀の詩人ジョン・ミルトンによる一大叙事詩。

特に重要なのは神によって地獄に落とされたサタンが神の国と戦争を起こす前半部分です。この本の中で悪魔たちは神の作ったルールとそれに支配された世界に対し反旗を翻しますが、その様子はまるで自分の信念に従う立派な男たちのように描写されています。『進撃』においては当然、神が巨人ということになります。

失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)
読みやすいということで非常に評判の良い平井正穂先生による翻訳本。

 

失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)

失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)

 

 

失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)

失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)

 

 

第3位
『炎628』(映画)

1985年 ロシア映画
監督:エレフ・クリモフ
出演:アレクセイ・クラフチェンコ、オリガ・ミノーロワ

 第二次大戦中、ナチスの特務部隊「アインザッツグルッペン」が引き起こした数々の虐殺事件をベラルーシ(旧白ロシア)に住む一人の少年の目線から見た作品。

実写版『進撃』の冒頭、教会にすし詰めになった人々が巨人に食われていくシーンはこの映画のラスト近く、ナチの兵隊達が教会に村人を閉じ込め、虐殺するシーンが元になっています。
昨日まで平和に暮らしていた少年の目の前で突然虐殺の惨状が繰り広げられ、そのなかで心が破壊され、ラストにはまるで別人のようになってしまうのは心が締め付けられます。
全体的なトーンや、ナチによる虐殺シーンなどが「進撃」の映画に影響を与えています。これと下記で紹介する『橋』は、町山智浩が『進撃』のアイディアを出す際に大いに参考にしたとのことです。

炎628 [DVD]

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『炎628』予告編


『炎628』教会での虐殺シーン。

 

こちらは町山さんによる『炎628』と『橋』の解説と、『進撃』の脚本の参考にしたという話が聞けるポットキャストです。 ⇩

 

 第4位
『橋』(映画)

1959年 西ドイツ映画。
監督:ベルンハルト・ヴィッキ
出演:フォルカー・ボーネット、フリッツ・ヴェッパー

 1959年に作られた西ドイツ映画。そして映画史上に残る鬱映画の一本として有名。
敗戦直前の1945年、ドイツのある村で同じ学校に通う7人の少年たちが軍隊に徴兵されます。
最初は兵隊になれることを喜ぶ7人でしたが、街にかかる橋に実際に連合軍が攻めてきたことで少年たちは戦争の現実を目の当たりにすることになります。
こちらも『炎628』同様、今回の実写版『進撃の巨人』のイメージ作りに直接的に影響を与えたであろう作品です。

平和に暮らしていた少年たちが突然戦争に引っ張り出される悲劇性だったり、しかしその中で少年たちが大人以上の英雄として戦う姿であったり、やはりその中で無残にも死んでいく悲劇であったりと、大人たちの都合に振り回されて戦争をする子供たちの姿という実写版『進撃』とダブる場面がけっこうあります。

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『橋』予告編

 

第5位

『スターシップ・トゥルーパーズ』(映画)

1997年 アメリカ映画。
監督:ポール・バーホーベン
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、マイケル・アイアンサイド

 ポール・バーホーベンによる97年のSF映画。遠い未来、全体主義的な地球連邦軍と宇宙昆虫軍、バグズとの血みどろの戦いをブラックユーモアたっぷりに描く。

とてもディズニーが制作したとは思えないようなゲテモノ大作であり、今でも熱狂的なファンを大量に持つ超カルト映画の一本です。
実写版『進撃』の序盤のシーンで巨人が初めて街を襲撃する際、捕まえた人間を取り合って引きちぎったりして食べるシーンは明らかにこの映画のバグズとの戦闘シーンに影響を受けています。
元々ロバート・A・ハインラインによる愛国的SF小説だった原作を、バーホーベン監督は全体主義的なナチのパロディにしてしまい、勇敢な軍人である主人公は世界中にある軍隊プロパガンダのパロディキャラとして描かれています。
実写版『進撃』において、國村準演じるクバル率いる親衛隊たちが街を支配している世界観などが、この映画の影響を受けてる部分だと思われます。


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左が『進撃』の國村準が演じる親衛隊、右が『スターシップ』。そっくり、というか元ネタが同じナチ。

 


『スターシップ・トゥルーパーズ』予告




第6位
『神曲』(小説)

1472年 イタリア作品
作者:ダンテ・アリギエーリ

13世紀の詩人ダンテが書いた一大叙事詩。

自らの人生に迷い苦しむダンテ自身が、様々な罪を犯した罪人がひしめく地獄の世界を巡り、そして真の救済の待つ天国へと向かっていく旅を描いた物語。
詳しくは前に書いたこの記事の中で詳しく触れています。

実写版『進撃』全体が、罪悪感に苦しむエレンの地獄めぐりと、そのことによる成長を描いており、その部分はダンテの『神曲』をベースにしているようです。
ピエール瀧演じるソウダのセリフ、「この門をくぐる者、一切の望みを捨てよ」はこの『神曲』からの引用になっています。

神曲 (まんがで読破)
神曲 (まんがで読破)

神曲 (まんがで読破)

神曲 (まんがで読破)

 

 

 

以上を見ておけば、実写版『進撃の巨人』のなかにある意味深なセリフや展開の意味(特にシキシマがやたらと意味深なことばっかりする)が大体わかると思います。

 この他にも町山さん自身が挙げている参考作品がありますが、今回はそれらのなかから特に重要なものをピックアップして紹介しました。

なお町山さん自身が紹介する実写版『進撃』の参考した作品のリストは下記のリンクから見れます。

d.hatena.ne.jp

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN  Blu-ray 通常版
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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド  Blu-ray 通常版
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