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不死身の漢!

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実写版『進撃の巨人』考察その③ シキシマを長谷川博己が演じる理由。『MOZU』の東と『ダークナイト』 

進撃の巨人

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『MOZU』の東とほとんど性格が同じシキシマ。
エレンをそそのかし、ミカサにリンゴを食べさせ、二人を巨人(神)と戦わせようとする。

 

実写版『進撃の巨人』で長谷川博己さん演じるシキシマ。
原作の人気キャラ、リヴァイをモデルにしたキャラクターと思われますが、観客の間ではリヴァイではなく、オリジナルキャラを出されたことに賛否両論になっているようです。
脚本を担当した町山智浩さんは、映画秘宝のインタビューの中でリヴァイが出せなかった理由を「リヴァイ」という名前を日本人俳優が名乗るのは無理があったため」と語っています。

ところでこの映画のシキシマというキャラクター、あるTVドラマのキャラクターと共通点があるのです。
それが同じく長谷川さんが演じた、TBSドラマ『MOZU』の東和夫です。

 今回はシキシマと東和夫という長谷川博己が演じた二人のキャラの共通点と、その源流となったかもしれないある有名映画のキャラについてお話します。

 

長谷川博己とシキシマ、『MOZU』とダークナイト。

長谷川博己さんは現在38歳。TV『セカンドバージン』でヒロインの不倫相手役で注目を集めました。武富健治原作の同名漫画のTVドラマ化『鈴木先生』で主人公を演じるなど、人気爆発中の俳優の一人です。

そんな長谷川さんは、2014年4月から放送されたTBSとWOWOWの共同制作ドラマ『MOZU』において東和夫というキャラクターを演じました。

『MOZU』は東京で突如爆弾テロ事件が起き、三人の警察官がその事件に潜む大きな陰謀に挑むというアクションドラマでした。
その中で陰謀の中枢にいて、全ての秘密を握る男として出てくるのが東和夫というキャラです。

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『MOZU』に出てくる東和夫。色んな意味でメチャクチャなキャラ。
中学二年生がジョーカーを真似して作ったような感じ。やっぱり主人公を誘惑する。


東というキャラクターはドラマ中、何度も主人公の前に現れ、挑発的な態度を取りながらも助言を伝えるという敵なのか味方なのかわからないという役柄でした。

この東和夫の話し方は、はっきりいって実写版『進撃』のシキシマのしゃべり方にそっくりです。というかほとんど同じキャラです。『MOZU』を観た人なら、『進撃』でミカサにリンゴを食べさせたり、エレンに教えを授けるシーンで「東じゃん」と皆思ったはず。
シキシマのキャラクターには1967年の西部劇『怒りの荒野』でリー・ヴァン・クリーフ演じたキャラクターの影響も入っているということらしいですが、それでもやはり『MOZU』の印象がどうしてもあります。

 

MOZUの東と町山智浩。
脚本の町山さんは『MOZU』が放送された後、TBSラジオ「たまむすび」の中で、わざわざ『MOZU』の紹介をしたうえで、長谷川博己さん演じる東のキャラクターを『ダークナイト』のジョーカーと絡めて、「メチャクチャおもしろいキャラ」と気に入ったことを話しています。


12分8秒ごろから長谷川さんの話をする。

 

しかし、では町山さんが『MOZU』を見てシキシマのキャスティングを決めたかというと、多分それはないと思います。
なぜなら『MOZU』の放送は2014年4月からであり、『進撃』の撮影は2014年の5月~8月ということは関係者の発言で明らかになっています。
これを考えると、町山さんが『MOZU』を観たのは『進撃』の脚本を書き終えた大分後であると思われるので、『MOZU』に影響を受けてのキャスティングであるとは考えにくいと思われます。

しかし演じた長谷川さんからすれば『MOZU』から少ししか経っていない頃に引き受けた役であり、東と共通点の多いシキシマを同じように演じた可能性はあります。


『MOZU』シーズン1 ダイジェスト。



東和夫と『ダークナイト』のジョーカー。
『MOZU』の東和夫は元公安警察の優秀な警察官だったはずが、今はテロリストになり主人公と敵対します。
この東のキャラクターは明らかに2008年の『ダークナイト』のジョーカーから影響を受けています。

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言わずと知れた男。映画史上にその名を残した最凶(狂)悪役の一人。
舌なめずり、大きく裂けた口、良く見るとわかる蛇のうろこの様なシャツ、完全に蛇。

 

ジョーカーは何の目的も持たず、ただ善良な人々に残酷な選択を突き付け、バットマンやハーベイ・デントを誘惑し、ゴッサムシティの秩序を破壊しようとするキャラでした。
このジョーカーのキャラクターのモデルは、ミルトンの書いた『失楽園』のサタンがモデルだと言われています。
サタンは元々ルシファーと呼ばれた大天使長として、神の右腕のような存在でしたが、神の配下として生きることに疑問を感じ、神に対して反逆を起こします。
そして神の軍勢との戦いに敗れて地獄に落とされてしまいますが、今度はエデンの園に蛇として侵入し、アダムとイブを誘惑する(リンゴを食べさせる)ことで神の作った秩序を破壊しようとするのです。

『MOZU』においても東は、ひたすら主人公を挑発(誘惑)し、そして情報を与えながら、状況をひたすらかき乱して、そのこと自体を楽しみます。

『MOZU』という作品自体が全体的なトーンが明らかに『ダークナイト』を意識して制作されており、池松壮亮が演じる殺人鬼、新谷がナース服を着て、口元が裂けたように血で染まっているシーンなどは『ダークナイト』に対するオマージュでした。
長谷川博己演じる東のキャラクターもその一つであり、東が主人公に対して「俺の存在意義とは全ての秩序を破壊することだ」というセリフを言うところからも明らかです。
『MOZU』の監督である羽住英一郎は、この作品の前に監督した『ワイルドセブン』でも、全体のトーンはもちろん、冒頭の銀行襲撃シーンなどで『ダークナイト』に影響を受けていたので、『MOZU』ではそれをさらに発展させたものと思われます。

 

前に書いた記事で述べた通り、ミカサとエレンを誘惑するシキシマのキャラクターは明らかにアダムとイブを誘惑した蛇(サタン)を 意識しています。

 

町山智浩さんは2008年の『ダークナイト』公開の際に、この映画と『失楽園』との関係を分析した『ダークナイトはなぜ素晴らしいか、ミルトンの「失楽園」とジョーカー』というタイトルの評論をしています。


町山智浩が映画『ダークナイト』を語る - YouTube

町山さんの名を知らしめた評論であり、原作の『進撃の巨人』のテーマに大きな影響を与えた映画解説ですが、今回の実写版『進撃』にも、この『失楽園』の物語が入っています。
そういう意味で、『進撃』のシキシマ、『MOZU』の東、『ダークナイト』のジョーカーは同じキャラであり、その源流には『失楽園』のサタン、『ファウスト』のメフィストフェレス、そして聖書の蛇がいるのです。

 

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